Wi-Fiが遅いと感じたら、IPアドレスの問題が原因かも知れません。
たとえば、IPアドレスが重複していたり、設定に不備があると、通信が遅くなったり、接続が不安定になったりする場合があります。
Wi-Fiを速くするために「IPアドレスを変更すれば改善できる」と思う人が多いですが、実際は速度改善には直接つながりません。
Wi-Fiの安定や快適さを得るには、DNS設定の変更、ルーターの設置場所や設定の見直し、IPv6/IPoE接続の利用など、他の方法が有効です。
この記事では初心者でも理解できるように、本当に効果のある改善策を解説します。
さあ、一緒にサクサク快適なWi-Fiを手に入れましょう。
IPアドレスとは何か?

IPアドレスとは、機器ごとに割り振られ、通信相手を間違えないようにします。
Webサイトを開くとき、URL(例:www.google>com)をIPアドレスに変換して接続先サーバーを見つけます。
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名とIPアドレスを結びつける仕組みです。
たとえば、私たちがブラウザに「google.com」と入力したとき、DNSが「142.250.196.78」といった数字の住所に変換してくれるからこそ、目的のサーバーに接続できるのです。
- ネット上の通信に必要な番号
- 世界中で一つだけの番号
- デバイスごとに割り当てられる
- IPv4とIPv6という2つの形式
公的機関の解説
サーバーとノードの仕組み
Webサイトはすべてサーバーに格納されており、サーバーは「ノード」と呼ばれるネットワークの節点で管理されています。
ノードごとにIPアドレスが割り当てられており、DNSはインターネットを利用するための「案内役」なのです。

もしDNSの処理が遅いと、目的地のサーバーまでの道案内に時間がかかり、Webページの表示や動画の読み込み速度に遅延が発生します。
特にオンラインゲームや動画視聴では、DNSの遅さがストレスの原因になります。
- ネット上の通信に必要な番号
- 世界中で一つだけの番号
- デバイスごとに割り当てられる
- IPv4とIPv6という2つの形式
DNSサーバーのIPアドレス変更

DNSサーバーの変更は、Wi-Fiが遅い時に効果がある対策のひとつです。
IPアドレス変更と違い、DNSの設定を変えるとWeb表示が速くなる場合があります。
- DNSのしくみをかんたんに知る
- 名前変換の役割をチェック
- 表示が速くなる理由とは?
- おすすめDNSとその特徴
まずは、DNSとは何かから見ていきましょう。
DNSのしくみをかんたん解説
DNSは、ネットの「電話帳」のような役割をもっており、入力したサイト名から、正しいサーバーの場所を見つけるために使われています。
- ドメイン名をIPに変える
- 正しいサーバーを探す
- ネット接続に必須
- 人間が読める名前に対応
DNSが速さに直結する理由
DNSの応答が速いと、ページの読み込みもスムーズになり、とくに最初の接続時に、大きな差が出やすくなります。
- 読み込み開始が早くなる
- ページ表示の遅れが減る
- つながらないトラブルも減る
- 体感の速さがアップする
DNSサーバー変更の具体的な設定方法

DNSを変えるとネットの体感速度が上がるとわかったら、次は実際の設定です。
使っている機器とのやり方は異なりますが、どれも10分以内で終わります。

むずかしそうに見えても大丈夫
手順にそって進めれば、すぐできます。
- Windows11でDNSを変える方法
- Macで設定を変更する手順
- iPhoneでDNSを指定する方法
- AndroidでDNSを手動設定
- ルーターで一括DNS設定
- 変更後の速度を確認する方法
これから紹介する設定方法は、どれも「Google DNS」や「Cloudflare DNS」など任意のサーバーへ自由に切り替えられます。
まずはWindows11から始めましょう。
Windows11でDNSを変える方法
Windows11では、設定画面からDNSアドレスを直接入力でき、IPv4の欄に手動で指定すると反映されます。
- タスクバーの検索ボックスに「コントロール」と入力
- 「コントロールパネル」起動
- 「ネットワークとインターネット」➡➡➡「ネットワークと共有センター」をクリック
- 有線LANで接続「イーサネット」無線LANの場合は「Wi-Fi」を選択
- 「プロパティ」をクリック
- インターネット・プロトコル・バージョン4(TCP/IPv4)を選択
- 「プロパティ」をクリック
- 次のDNSサーバーのアドレスを使う(E)をクリック
- 優先DNSサーバー(P)「8.8.8.8」 代替DNSサーバー(A)「8.8.4.4」
- 「OK」➡「閉じる」






設定は、すぐ反映され、再起動の必要もありません。
ネットがつながらなくなったら、元の設定に戻せばOKです。
Android8以前(Oreoなど)DNSを手動設定
Wi‑Fiごとに「静的IP設定」でDNS設定を行います。
- 設定 ➡➡➡ネットワークとインターネット➡➡➡Wi-Fi ➡➡➡詳細オプション ➡➡➡ IP設定 「DHCP」➡➡➡「静的」に変更
- 「DNS 1」「DNS 2」に以下のアドレスを入力
- Google DNS:8.8.8.8 / 8.8.4.4
- Cloudflare:
1.1.1.1
/1.0.0.1
- Quad9:
9.9.9.9
/149.112.112.112
- 保存
- 静的IP設定を行う場合、IPアドレス・ゲートウェイ・サブネットマスクも入力が必要な場合があります。誤って入力すると接続できなくなる可能性があります。
- DNSだけを変更する場合は、OSによって「DNS設定のみ変更可能」な項目が用意されているケースもあるので、静的IPを無理に使わない方が安全です。
Android9以降(Pie/10/11/12/13など)DNSを手動設定
- 設定アプリを開く
- ネットワークとインターネット ➡➡➡ 詳細設定 ➡➡➡プライベートDNS をタップ
- 「プライベートDNSプロバイダのホスト名」を選択
- 以下のようなホスト名を
- Google DNS:
dns.google
- Cloudflare:
one.one.one.one
- Quad9:
dns.quad9.net
- 保存
- Google DNS:
機種やバージョンによっては、この設定が見つからない場合もあります。
その場合は、ルーター側でDNSを変える方法が有効です。
これで家庭内の全てのWi-Fi機器(スマホ、PC、タブレットなど)が新しいDNSを利用できます。
ルーター側でDNSを変える方法
ルーターでDNSを変更すると、同じWi-Fiに接続している全デバイスに設定が反映されるので便利です。
一般的な手順
- ブラウザでルーター管理画面を開く
- 例:
192.168.1.1
または192.168.0.1
- (機種によって異なるので、裏面ラベルや説明書を確認)
- 例:
- 管理者アカウントでログイン
- ID/PASSはルーター本体のラベルに記載されている場合が多いです。
- インターネット設定/WAN設定/DNS設定 に進む
- DNSサーバーを手動指定
- プライマリDNS:
- Google DNS →
8.8.8.8
- Cloudflare DNS →
1.1.1.1
- Quad9 →
9.9.9.9
- Google DNS →
- セカンダリDNS:
- Google DNS →
8.8.4.4
- Cloudflare DNS →
1.0.0.1
- Quad9 →
149.112.112.112
- Google DNS →
- プライマリDNS:
【公的機関の参考情報】
- 総務省:公衆無線LANのセキュリティに関するガイドライン
DNSを含めた安全なインターネット利用の注意点が解説されています。 - 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT):サイバーセキュリティ情報
DNSに関連するセキュリティ脅威(DNSキャッシュポイズニングなど)についての解説です。 - JPCERT/CC(Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center)
DNS設定やセキュリティに関する注意喚起が随時更新されています。
設定後の速度チェック方法


DNSを変えたら、表示速度や応答時間を確認してみましょう。
- Speedtest by Ookla
- Googleで「スピードテスト」と検索
- FAST.com(シンプルで早い)
- Ping値・ダウンロード速度を確認
速度は時間帯や通信状況で多少変動します。



数回テストして、平均値を見るのがポイントです。
DNS変更がデバイス別に与える影響


Windows/Mac
- 効果:Webサイト表示やオンラインサービスの応答性が向上
- 具体例:Cloudflareの「1.1.1.1」は「世界最速のDNSリゾルバ」とされ、応答時間は10〜20ms程度と公表されています。
- 出典:Cloudflare公式 – Speed up the web
iPhone/iOS
- 効果:アプリの起動や検索応答がスムーズになり、iCloud同期なども安定
- 具体例:セキュリティを重視する場合、Quad9を設定すると「既知のマルウェアやフィッシングサイトへの接続を自動的に遮断」可能です。
- 出典:Quad9公式 – About
Android(DoT/DoH対応機種)
- 効果:ゲームや動画アプリで読み込み遅延が減り、DNS暗号化によるプライバシー保護も強化
- 具体例:Cloudflare(1.1.1.1)やQuad9を設定することで、名前解決の高速化+悪意あるサイトブロックを同時に実現できます。
- 出典:Cloudflare Developers – 1.1.1.1 setup
- 出典:Quad9 Documentation
主要な無料DNSサービス一覧
無料で利用できる代表的なDNSには、Google Public DNS・Cloudflare DNS・Quad9定評があります。
Quad9はセキュリティに特化しており、マルウェアや不正サイトを自動でブロックする仕組みを備えています。
いずれも無料で設定可能なので、用途に合わせて選択しましょう。
- 速度重視:Cloudflare:1.1.1.1 / 1.0.0.1
- 安全性重視:Google DNS:8.8.8.8 / 8.8.4.4
- Qゲーム用途なら検証が必須quad9:9.9.9.9 / 149.112.112.112
速度比較
Cloudflare
応答速度で国内ユーザーの実測では、優勢
Google Public DNS
大規模ネットワークにより安定性が高い点で選ばれるケースが多く
Quad9
速度面ではやや劣る場合がありますが、セキュリティ機能を優先するユーザーに支持されています。
ただし地域や回線環境によって結果は異なるため、「最速」と断言するよりも、自宅のネット環境で実際に試すのが重要です。
自分の環境で測定する方法
「日本で最速のDNS」を知るには、自分の回線で直接テストするのが一番です。
おすすめは Namebench” (※1)”や DNS Benchmark(※2) といった無料ツールでの測定です。
これらを使うと、現在地から見た応答速度の速いDNSサーバーを自動でランキングしてくれるます。
測定結果は地域や時間帯によって変動するため、数回試して安定して速いサーバーを選ぶと効果的です。
オンラインゲームに重要な指標とは?
ゲーム用途で重視すべきは ping値(応答速度) と 安定性 です。
単に速度(Mbps)が高くても、pingが不安定だとオンラインゲームではラグや遅延が発生、特に対戦系やFPSでは数ミリ秒の差が勝敗を分けます。
そのため、DNS選びでは「いかにpingを安定させるか」が最大のポイントです。
おすすめDNSとその理由
ゲーマーに人気があるのは Cloudflare(1.1.1.1) と Google(8.8.8.8)、Cloudflareは応答速度が速いため、
ラグ軽減に期待できます。
Googleは世界規模のバックボーンを持ち、長時間プレイでも安定しやすいのが特徴です。
場合によっては、プロバイダ標準のDNS が物理的に近いため最適になるケースもあるので、実測比較が重要です。
最適なDNSを見つける実践ステップ
SNSやeスポーツフォーラムで他のゲーマーの事例を参考にするのも効果的です。
最適解は環境依存なので「自分の回線での実測」こそが決め手になります。
Wi-FiのDNS変更メリット&デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
Webページ表示が速くなる(Cloudflare DNSなどで10〜20ms応答) | 設定を誤ると接続不能になるリスク |
自宅・オフィスLAN全体の安定性向上 | 公共Wi-Fiでは効果が限定的 |
VPNやセキュリティ強化と組み合わせやすい | 企業・学校のネットワークでは変更制限がある |
スマホのDNS変更メリット&デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
アプリや検索の応答が改善される | 電波状況の影響が大きく効果が限定的 |
移動中や外出先でも安定した応答 | 機種やOSによって設定が複雑 |
DoH/DoT対応でプライバシー保護が強化 | VPNアプリと競合する可能性があり |
FAQ


- IPアドレスを変更するとWi-Fiの速度は速くなるの?
-
IPアドレスを変更しても、基本的にWi-Fiの速度が直接速くなるわけではありません。ただし、まれにプロバイダの制限回避や混雑している帯域を避けられるなど、間接的な改善につながる場合もあります。
- Wi-Fiの速度を上げたい時はどうすればいい?
-
IPアドレス変更よりも、DNSサーバーの設定変更や、ルーターの設置場所の見直し、IPv6/IPoE接続の利用などの対策が有効です。特にDNS設定の変更は、ページ表示の応答性改善に効果があります。
- DNSを変えると何が良くなるの?
-
DNSを変更することで、Webページの表示が速くなったり、接続の安定性が高まったりします。GoogleやCloudflareのDNSは応答速度が速く、体感速度に大きく影響することがあります。
- どのDNSが日本で一番速いの?
-
一般的にはCloudflare(1.1.1.1)が日本国内での応答速度に優れているとされていますが、使用環境や地域によって変わります。NamebenchやDNS Benchmarkなどの無料ツールで自分の環境に合った最速のDNSを見つけるのがおすすめです。
- DNS変更のデメリットはある?
-
誤った設定をするとネットに接続できなくなる可能性があります。また、公共Wi-Fiでは変更の効果が限定的で、企業や学校では変更が制限されている場合もあります。設定前には元の状態をメモしておくと安心です。
まとめ
- IPアドレス変更ではWi-Fi速度は大きく改善しない
- DNS設定変更でページ表示や応答速度が改善される
- CloudflareやGoogle DNSは応答速度が速くおすすめ
- 設定はPC・スマホ・ルーターごとに簡単に変更可能
- 速度や安定性の比較はNamebenchやBenchmarkで実施
- ゲーム用途ではpingの安定性を重視することが重要
「IPアドレスを変えれば速くなる」は誤解で、DNS設定の見直しこそが、快適なWi-Fiへの第一歩です。
自宅のネット環境にあわせて、最適なDNSを見つけてみましょう。



初心者でも10分でできるDNS設定変更。
速度改善やラグ軽減を体感してみましょう!
まずはGoogle DNSやCloudflareを試して見てくださいね。